2014年10月14日火曜日

JA雑誌 『家の光』から 3かな

みなさん

こんばんは!


今回は山下惣一さんの手紙を写させていただきます。



 テレビ局の女性ディレクターがわが家へやってきてこういうのです。
 「現代の若者や子どもたちに農業と食べものの大切さを伝えるにはどうしたらいいのでしょか?」
 うーん。私は考え込んでしまいましたよ。正直いって私にもいい知恵はありません。どうしたらいい
のでしょうか。昔から「満腹の子に、躾はできない」といいます。
 「まあ、一度飢えてみるしかないでしょうね」と私はいいました。この問題を長い間考えてきたので
すが私の結論はこれでした。知識で教えてもダメ、体で覚えるしかない。頭で覚えたことは忘れるが
体で覚えたことは忘れない。悲しいかなこれが人の習性のようですね。二度飢える必要はないが、人間は一生に一度は飢えを体験する仏要があるのではないか。これは人間としてのひっこ必須体
験だ。私はひそかにそう考えていますが、
(略)
 さて、昭和二十年の敗戦の年私は小学校の三年生でした。戦後の食糧難を農村で体験したわけですが引揚者や非農家の家庭では田舎でも大変深刻だったようです。学校に弁当を持ってこられ
ない生徒がいて「欠食児童」と呼ばれ、昼食時間には外に出て膝を抱いてじっと空を眺めていた光
景が今も忘れられません。
(略)
 考えてみれば日本人が等しく満足に食べられるようになったのは昭和四十年以降でまだわずか半世紀、たったの五十年。それまでは歴史的に慢性的な食糧不足と飢餓の時代だったのですよね。
(略)
飽食の時代に育った世代がいまや一家の中心に坐っています。飽食の時代は農業軽視の時代
でもあります。
(略)



今日、母校の学習ボランティアにて、塩おにぎりを作ったが炊飯の途中で二人の手紙談義を読んで聞かせた。さみしいかな生徒の反応は無いに等しかった。






膝を抱え 空を見上げて  なに想う 

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