2017年4月21日金曜日

20年後を見据えた考え方。

みなさま

こんにちは。


今日は産経新聞の過去の記事からの転記ですが、ぜひ最後まで読み進めてください。

お願いいたします。




『石油王のロックフェラー家 脱石油エコ農業目指す』(産経新聞 20101231日)


 
世界の石油業界を支配したロックフェラー家が今、ニューヨーク郊外にある広大な邸宅の敷地を提供し、農業の実験を進めている。20世紀物質文明の基礎を築いたともいえる同家が次の100年を見据えて立ち上げたプロジェクト。かつての石油王、ロックフェラー家が目指しているのは、脱石油による省エネ型の農業だ。(ニューヨーク 松尾理也)

ニューヨーク北郊ウエストチェスター郡に、ロックフェラー家の総帥、デービッド・ロックフェラー氏(95)が幼少期にしばしば滞在した邸宅がある。その広大な敷地の一部は現在、「ストーンバーンズ農業センター」として農場に改造され、石油や肥料をできる限り使わずに穀物や野菜を栽培し、家畜を飼育する実験が行われている。

農場には温室もあるが、暖房をまったく使わないか、設定温度を極力低く抑えるかして、脱石油による「持続可能な農業」を目指す。収穫は「地産地消」の理念に基づいて近隣で消費される。

「当初、思い出の場所を保存しようと思っただけだったが、次第にわれわれの使命がみえてきた。工場スタイルの近代農業の行き詰まりを一般の人々に伝え、解決策を生み出すこと。それこそがわれわれが取り組むべき目標だ」。ロックフェラー氏は農場を紹介するパンフレットにこう記す。

収穫の飛躍的増大とコスト削減を両立させた現代農業の進歩で、世界は飢餓の減少とともに豊かな食生活を楽しむことができるようになった。「しかし、そんな幸せな時代はもうすぐ終わる」と、広報担当のエリカ・ヘルムズさんはいう。

多量のエネルギー、肥料、機械をつぎ込み、単一品目の大規模栽培を通じて効率を追求する20世紀の「産業型農業」は、何よりロックフェラー家が確立した石油社会のたまものだった。今、そのロックフェラー家が「石油後」を模索しているのは興味深い。

2004年に教育・観光施設としてオープンした農場は、08年から本格的に農業実習生の受け入れを始めた。「脱産業化」農業を学んだ若者はこれまでに900人以上に上る。


確かに、既存の農業、あるいは流通や調理なども含めた「食」のシステム全体と競争していくのは容易ではない。しかし食の安全や環境問題への関心の高まり、そして資源高などを考え合わせれば、「未来は明るい」と教官のネナ・ジョンソンさんは断言する。

実習生のダン・コールさん(29)の仕事場をのぞいた。体中に羽毛を付着させた姿で、「ちょうどグース(ガチョウ)の処理中だったんだ」と笑う。

コロラド州の農家出身。厳しい市場原理の下で効率を追求せざるを得ない親の姿をみて、農業だけはしまいと決めていた。が、海外青年協力事業で訪れたアフリカ・マラウイでの暮らしを経て、農業への関心が芽生えてきた。そのころ、ストーンバーンズを知った。

「古き良き時代の農夫やカウボーイにはあこがれていた。地に足のついた形で新しい農業を実践できるなら、天職だと思っている」

もっとも現在、ほとんどの収穫は自然食志向の高級レストランとの取引など、主に経済的に余裕のある層に回される。将来、農業の主流となるときは到来するのだろうか?

「たしかに今後10年ほどで、とって代わるのは難しい。でも20年後には資源の高騰や環境問題の深刻化、人口の増加などで状況は切実になっているだろう。それまでに多くの農家を育てておくことは国家的な課題だと思う」。コールさんは明るい表情で話した。

ロックフェラー家 1870年にジョン・D・ロックフェラーがスタンダード・オイル社を設立。買収を繰り返して独占的な石油会社に成長させ巨富を築いた。1911年に反トラスト法で解体され、エクソンモービルやシェブロンの母体に。現当主デービッド・ロックフェラー氏は孫。



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