2010年11月1日月曜日

開高健の言葉

こんばんは!

大腸透視検査を明日に控え、本日から検査食を食べ始めました。
食べながら次から次えと頭の中をよぎりました。
美味しいく食べたいに始まり、米、野菜の事、日本の農政、世界の農業のあり方、
・・・
そして、神田鶴八の先代親方、師岡幸夫さんと開高健さんのやり取りです。

親方
「開高さん、少し食べすぎじゃありませんか」

開高さん
「わかってんだよ、親父。しかしね、いまは俺は飽食だよ。おいしいものを腹一杯食
べてるよ。満足しとるよ。しかしね、これが焚き火に当たっているのと同じでね、
体の前半分は十分にホカホカ暖まってるんだけど、背中のほうがゾクゾク寒いんだ
なあ。いまは十分に満足してるんだけども、背中のほうから『これはフィクション
やで、これはフィクションやで』ってのが聞こえてくるような気がしてさ。ついつい
食べられるだけ食べちゃうんだよなあ。また、いつ、いつ食えなくなっちゃうかって
いうような具体的な恐怖心とまではいかないんだけど、この『フィクションやで』って
のが強いんだよなあ」

『神田鶴八ちょつと小粋な鮨ばなし』 師岡幸夫著より

戦争を知らず、食料難に遭うこともなく、今を生きている人がと言われそうだが、
たかが一日の検査食を食べただけで不安になりました。
世界の食は、日本の食は何処に向かうのでしょうか。

食いたいな 腹一杯に お米かな

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