みなさま
おはようございます。
婆さん観音 その1 と同じ日のことである。畑にトラクターを置いたまま急用ができたので
自宅に徒歩で向かっていると、婆さんが反対方向から手押し車を押してきたのである。
こんちは。
『こんちは、この前な、お彼岸の時お墓で芳雄さんと初ちゃんとしばらく話をしてきたんだ
涙流してしまったよ。』
こんな会話からしばし話をしていた。この婆さんはうちの両親より年上で芳雄は父で
初は母の実名である。そして別れ際の会話へと繋がってゆくのである。
今な、富ちゃんに仕事で世話になっているんだ。
『そんなのお互い様だよ。うちは初郎さんに大変助けてもらってな、爺さんは死ぬまで
感謝していると言ってたんだよ。うちがあるのは初郎さんのおかげなんだから。』
婆さんさようなら、元気でな。
ここにでてくる富ちゃんは婆さんの息子で田舎者より5つぐらい年上で初郎は私の祖父に
なのです。
両親と祖父に出会うことが出来た場所は自宅と婆さんちの間であり明治生まれの祖父と
昭和一桁生まれの父と我が家に嫁いだ母が何度となく歩いた場所でもある。そしてなぜ
婆さんはこんな話をしてきたのだろうと考えてみると不思議なことである。
身内ならともかく他人様の婆さんの言葉として出てきた両親と祖父は今もなをこころの中に
生きているんだとと想い考えさせられたのです。
そんなことからこの婆さんも観音さまと想うようになったのです。
時超えて 一つの道での すれ違い